円周を積分経路にとる複素積分の計算方法と具体例

ここでは円周を積分経路にとる複素積分 \[\int_{C}f(z)dz=\int_{\theta_1}^{\theta_2} f(re^{i\theta}) re^{i\theta}id\theta\] の計算方法と具体例をまとめます。

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目次

円周上を積分経路にとる複素積分

図のように円の形で積分経路を取ることを考えます。このとき,経路 $C$ 上の $z$ は $z=re^{i\theta}$ とパラメータ表示することが出来ます。微小な $\theta$ で分割すると \[
\frac{dz}{d\theta}=r e^{i\theta}i
\] すなわち $dz=re^{i\theta}id\theta$ となり,また,パラメータは $\theta_1 \to \theta_2$ とすれば良いので積分は \[
\int_{C}f(z)dz=\int_{\theta_1}^{\theta_2} f(re^{i\theta}) re^{i\theta}id\theta
\] となり,$\theta$ の実関数の積分にすることが出来ます。複素積分ではこのように円をパラメータとして置く方法がよく使われますので次の例題で確かめてみましょう。

具体例

例題

図のように原点を中心とする半径1の円の円周を積分経路 $C$ にとる。このとき複素積分 \[
\oint_{C}zdz
\] を求めよ。

【解答】
経路 $C$ の複素積分はパラメータ $\theta$ $(0\leq \theta \leq 2\pi)$ を用いて $z=e^{i\theta}$ と出来る。このとき$dz=e^{i\theta}id\theta$ であるので \[
\begin{align}
\oint_{C}zdz &= \int_{0}^{2\pi} e^{i\theta} e^{i\theta}id\theta \\
&=i\int_{0}^{2\pi}e^{2i\theta}d\theta \\
&=i\int_{0}^{2\pi} (\cos 2\theta +i\sin 2\theta)d\theta \\
&=\color{red}{0}
\end{align}
\]

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