ここでは力学の事前準備として必要な座標系とその種類(直行座標系,極座標,球座標)についてまとめます。
目次
座標系の設定
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物理の議論をするときには次のような座標系を設定します。
座標系を取る際は例えば運動が1次元直線上を運動するのなら $x$ 軸だけを取れば良いですし,平面を動くのなら $xy$ 平面を設定する,といった目的に応じたものが使われます。
3次元で運動を考えるのならば,次のような $xyz$ 直交座標系を導入して考えることも出来ます。
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このような座標系のことをまとめて直交座標系といいます。物理の問題を考えるということは,大雑把にはこの座標系のもとでの物体の時間発展を考えるということです。
これは,ある物体の位置を時刻 $t$ の関数として $(x(t),y(t),z(t))$ の振る舞い,及び他の物理量(これもまた時刻 $t$ の関数)との関係を調べることが今後の力学の目標の一つになってくるとまとめる事も出来ます。
他の座標系
高校力学では基本的に直交座標系を用いることが多いですが,大学以降の物理学では他にも様々な座標系が使われます。
ここではその一例を紹介しますが「そんなものもあるんだな」くらいの気持ちで見ていただければ幸いです。
極座標
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図のように原点Oを中心として原点から1方向に軸を取り,軸からの角度成分$\theta$と原点からの距離$r$の成分を取って座標を表す座標系のことを極座標といいます。
物理の問題では対象となる系が球対称であることも多く,そのようなときには極座標で表す方が計算の手間が少なくなることも多くあります。また,回転運動に対しても直交座標を用いるより手軽になるメリットがあります。
球座標
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球座標もまた,原子の振る舞いを考えるときなどによく使われます。
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